世の中には“裏方フェス”がある。
けんしろ★
僕が経験した 給食弁当屋の炊飯作業 は、まさにその代表格だ。
観客ゼロ、歓声ゼロ。だけど、毎朝2000食分の米を炊き上げる熱気は、ロックフェス以上だった。
これは僕が体験した「白米と汗と轟音のハードロック・セッション」の記録である。
この記事のテーマソングはこの曲がオススメです。
🌅 午前2時の開演 ― 開場は炊飯室
仕事は午前2時に始まる。
眠気眼で出勤すると、そこはすでにリハーサル中のライブハウスみたいな空間だった。
- 4升炊き炊飯器が4台、熱気でモワモワ。
- 白い長靴の中はすぐに汗だまり。
- 湯気と蒸気でサウナ状態、温度計なんて壊れてるんじゃないかと思う。
観客はいない。拍手もない。
でも、リズムよく米を研ぎ、タイミングよく炊飯器にセットするその瞬間、まるで ドラマーのツーバス連打 のように全身が覚醒していく。
⚡ 炊飯器は待ってくれない ― 失敗は許されないステージ
炊飯の怖いところは「水加減」。
ほんの少し間違えるだけで、2000人分の食事が台無しになる。
自動炊飯器は情け容赦なく動く。
「おい待ってくれ、まだ準備が…!」と叫んでも、炊飯器はボタンを押したら最後。
ズンズンと唸りを上げ、ギターリフのように熱を放ち始める。
僕の心臓も、ジョン・ボーナムのドラムみたいにドコドコ鳴っていた。
🥵 暑さ・重さ・機械との格闘
- 炊き上がった米は重い。
- 4升=約6kg、それを何度も持ち上げる。
- 真夏の作業場は地獄絵図。
背中は常に汗でびっしょり、腕は筋トレ状態。
「これ、ジムに行く必要ないな」と思った。
(でも痩せるどころか、米のつまみ食いでむしろ太ったのは内緒だ。)
🍱 弁当詰め機械との同時進行
炊飯だけでは終わらない。
炊き上がった米は、すぐに弁当詰め機械に投入される。
- 機械のリズムは一定。
- こちらのペースなんてお構いなし。
- 一瞬でも遅れると、米が飛び散ってカオス状態。
この瞬間、僕は「ベースとドラムを同時に演奏するプログレバンド」の気分だった。
シンプルな作業なのに、気を抜くとライブは一気に崩壊する。
💡 炊飯作業のメリットとデメリット
メリット
- 効率が身につく:段取りを考える力がつく。
- 体力が鍛えられる:毎日が筋トレ。ジムいらず。
- 達成感がある:2000食を炊き上げたときの爽快感はステージ終演のよう。
デメリット
- とにかく暑い:サウナに長時間いるようなもの。
- 単調なようで緊張感がある:水加減一つで全てが狂う。
- 生活リズムが崩れる:午前2時出勤は常人にはキツイ。
・段取りが命:ライブと同じで、最初の準備で全てが決まる
・集中力が試される:水加減をミスしたら取り返しがつかない
・肉体労働はシンプルに強い:筋トレより効率的に鍛えられる
この仕事は「ハードロック労働」そのものだった。
🎧 今日の1枚:Led Zeppelin『Led Zeppelin II』
この仕事を思い出すと、頭の中で流れるのは レッド・ツェッペリンII だ。
- 「Whole Lotta Love」の爆音リフは、炊飯器の唸りと同じ。
- 「Heartbreaker」のギターソロは、米をこぼしたときのパニックの速弾き。
- 「Ramble On」の疾走感は、弁当詰め機械に追われる僕の姿そのもの。
このアルバムは、重厚でシンプルで、でも圧倒的な熱気がある。
まさに「炊飯労働」の縮図だ。
👉 Led Zeppelin II を聴きながら、あなたも一緒に2000食フェスを体感してみてほしい。

🎬 エンディング
炊飯作業は、ただ米を炊くだけの単純労働じゃない。
2000人分の食を支える重責、暑さとの戦い、そして達成感。
それは「労働版ハードロックフェス」だった。
僕は今日も、次のトラックへ進む。
転職アルバムのTrack 4は――弁当配達、そして『ビッグ・ピンク』だ。
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