「夜明けの街で、俺はサンドイッチと戦っていた。」
■ 朝5時、街が動き出す前のステージ
朝焼けのオレンジに染まる街。
その静寂を破るように、コンビニの自動ドアが開く音が鳴る。
勤務時間は早朝5時から9時。
ステージに立つような緊張感の中、
俺の手にはバーコードリーダー。これが俺のギターだ。
この記事のBGMはこの曲がオススメです。
■ 陳列はチューニング、ドリンク補充は修行
パン、饅頭、プリン――。
朝の空気に混じる小麦の匂い。
賞味期限を確認しながら並べていく。
古いものを手前に、新しいものを奥に。
この一手間が“いい演奏”につながる。
次は冷蔵庫内の補充。
あの冷気はまるで“北極ツアー”。
手の感覚がなくなる頃、新聞トラックがやってくる。
返品の束を数え、本日の分を棚に並べる。
「ピッ」というバーコード音が、朝のリズムセクションだ。
■ 宅急便は“長尺ギターソロ”級に時間がかかる
7時を過ぎると、お客さんが一気に増える。
サラリーマン、職人、OL。
みんなが3分間だけ自分のリズムで訪れる。
その中で登場するのが“ラスボス”――宅急便の発送。
伝票、バーコード、サイズ測定、印字、確認…。
長い、長すぎる。
列ができると、後ろの視線が痛い。
そんなとき俺は――別のレジへ逃げた。
「すみません、コーヒーこっち入りますんで!」
あの瞬間の判断力と演技力は、まさに即興ロック。
■ レンジ爆発事件 ― ソースはロックより危険
「弁当温めて」と言われ、袋ごとレンジに入れた俺。
バンッ!!🔥
中のしょうゆ小袋が破裂し、レンジ内は地獄絵図。
“ロックンロール”どころか“エクスプロージョン”。
焦るな、落ち着け。
人生もレンジも、熱しすぎは禁物だ。
■ タバコはギターコードのように暗記しろ
「メビウス・1、12番!」「アメスピ・オレンジ、42番!」
タバコの銘柄と番号は、まるでコード進行。
覚えるまでは本当に地獄。
でも、覚えた瞬間から流れるように指が動く。
客のイライラを避けるためには、記憶力もリズム感も命。
まさに接客界のジャズセッション。
■ おばちゃん客は敵にまわすな。味方につけろ。
朝8時、最も気を使うのが“おばちゃん客”だ。
彼女たちは袋詰めのプロ。
「暖かいのと冷たいのは別々にね」
「そのパン、下に入れんといて!」
袋の中身一つで、天国と地獄が分かれる。
でも、ここで最敬礼&笑顔全開。
「いつもありがとうございます!」と声を張れば、
“おばちゃんフレンド”に昇格できる。
味方につければ少々のミスも笑って流してくれる。
だが敵に回せば、即・クレーム直行便。
コンビニの人間関係も、政治と同じく“バランスの芸術”だ。
■ 二つのレジ間のチームプレイ
早朝は基本二人体制。
この時間帯は連携がすべて。
片方が宅急便で詰まっていたら、もう片方が袋詰めをサポート。
目を合わせて息を合わせる。
それだけで人間関係がまるくなる。
チームワークって、音楽も仕事も同じなんだ。
■ 朝9時、ステージのエンディング
ラッシュを終え、レジの清算がピッタリ合うと、
まるでアンコールを乗り切ったような安堵感。
短い4時間でも、街の縮図がそこにある。
孤独、優しさ、焦り、苛立ち、笑顔――
すべてが交錯する“リアルなセッション”だった。
🎧 今日の一枚
ブルース・スプリングスティーン『Born to Run』
この曲を聴きながら、コンビニの朝を思い出す。
働く人すべてのテーマソング。
“Baby, we were born to run.”
(俺たちは走るために生まれてきたんだ)

💡 まとめ:コンビニ勤務で学んだ“生き方のテンポ”
- コンビニは社会の縮図。あらゆる人間模様が交錯する。
- おばちゃん客は敵にせず、ファンに変えろ。
- 宅急便とタバコの処理は焦るな。冷静こそ最大の武器。
- チームワークはロックバンドと同じ。リズムが大事。
🎤 最後にひとこと
コンビニ界を引退した僕から、一日をちょっぴり幸せに過ごす方法を教える。
朝、コンビニに行ったとき。
レジの店員よりも大きな声で「ありがとう」と言ってみよう。
きっとその笑顔に、あなたも少しだけ幸せをもらえるはずだ。
ロックでも、仕事でも、結局は“ありがとう”がすべての始まり。
🔗 関連リンク


コメント