この記事のBGMはこの曲がオススメです。
🚗 朝から弁当と一緒に出発
僕が弁当配達をしていた頃、朝は戦場だった。
炊き上がった2000食分のご飯を詰め込み、注文数と同じ数の弁当+箸+ふりかけをそれぞれのコースごとに車に積み込む。僕が担当していたのは約200食のコースだ。
ここで数を間違えたら大惨事。注文表と積み込む弁当の数を何度も確認する。
出発前からすでにバンドメンバー全員が緊張しているライブ前みたいな空気感だ。
🅿️ 車の停め方はプロ技
配達先に到着したら、最初の難関は駐車だ。
お客さんの邪魔にならない位置に車を停め、素早く弁当を降ろす。
ここでモタモタすると、「アンコールいらない!」と言われたような気分になる。
配達は時間との戦い。1秒が命取りだった。
🥢 箸とふりかけのシンクロ演奏
弁当と一緒に必ず付けるのが「箸」と「ふりかけ」。
数が合わないとクレーム必至。
ドラムとベースがズレたらバンドが崩壊するように、ここは絶対に外せない。
🤦 弁当をひっくり返す地獄の瞬間
忘れられないのが、車内で弁当をひっくり返してしまった時。
白米がずれ、漬物が飛び、唐揚げが床に散乱。
その瞬間、頭の中ではギターアンプが爆発した音がした。
やり直す時間はない。必死に直して「ライブ続行」するしかなかった。
🌞 午後の回収ツアー
午前の配達が終わっても、仕事はまだ終わらない。
午後からは弁当箱の回収ツアーが待っている。
空の弁当箱を積み上げた車内は、ライブ終了後の機材車みたいにぎゅうぎゅう詰め。
匂いと熱気のミックス感は、もはや「B級フェス会場」そのものだった。
☀️ 夏の腐敗との戦い
夏場は特に地獄。
弁当は時間が経つと傷みやすい。
氷や保冷剤で対処するけれど、猛暑の日はそれでも不安になる。
「腐るなよ…頼む…」と祈りながら走る道中は、心臓に悪いロシアンルーレットのようだった。
🎧 今日の1枚:ザ・バンド『Music from Big Pink』
この仕事を思い出すとき、僕の脳内で流れるのは ザ・バンドの『ビッグピンク』 だ。
- 「Tears of Rage」 → 弁当をひっくり返した瞬間の涙。
- 「The Weight」 → 箸や弁当箱を運ぶ重さに共鳴。
- 「I Shall Be Released」 → 午後の回収が終わり、解放されたときの安堵感。
ザ・バンドの音楽は派手さはないが、じわっと胸に残る。
弁当配達の仕事も同じ。地味だけど確かに人の生活を支えていた。

💡 弁当配達のメリット・デメリット
メリット
- ルーティンがシンプルで覚えやすい
- 体力よりも段取り力が重要
- 顔なじみのお客さんに「ありがとう」と言われる喜び
デメリット
- 時間との勝負、遅刻は絶対NG
- 弁当を崩すと一気に修羅場
- 夏の腐敗リスクが常にある
💡 弁当配達を考えている人へのアドバイス
弁当配達は地味なようでいて、意外と頭と体をフル稼働させる仕事だ。
これから挑戦してみようかな?と思っている人に、僕からのアドバイスをいくつか残しておく。
① 時間管理が命
配達はとにかく 「時間通りに届ける」 が最優先。
渋滞や信号で遅れることもあるけど、出発前の準備で差をつけられる。
・積み込み時にルート順に並べる
・箸・ふりかけはセットで袋に入れる
これだけで現場のバタバタがかなり減る。
② 荷崩れ対策はプロ意識
弁当はちょっとの揺れで崩れる。
「運転はライブのドラム」と同じで、安定したリズム=安全運転 が何より大事。
シートや仕切りを使って荷物を固定しておくと、ひっくり返し事故も防げる。
③ 夏場は冷却グッズを必ず準備
猛暑の日は弁当がすぐに痛む。
保冷剤や氷は必須アイテム。
配達中は窓を開けるより、エアコンで冷やした方が安定する。
お客さんからも「ちゃんと管理してくれてる」と信頼を得やすい。
④ コミュニケーションで差がつく
ただ届けるだけじゃなくて、「おはようございます!」の一言で印象は変わる。
顔なじみになると、「今日もありがとう」と言ってもらえるようになり、仕事がぐっと楽しくなる。
⑤ 正確さが評価につながる
弁当の数、箸の数、ふりかけの数。
「当たり前」の確認を怠らない人が、この仕事では信頼される。
演奏で言えば、基本のリズムを外さないドラマー みたいな存在になれる。

🎤 まとめ:弁当配達はバンド活動に似ている
- 時間管理=テンポキープ
- 荷崩れ防止=安定したリズム
- お客さんとのやり取り=観客とのセッション
派手ではないけれど、確実に人の生活を支えるリズム隊。
それが、弁当配達という仕事の本質だ。
🎬 エンディング
弁当配達の仕事は、表舞台には立たないが、確かに人々の生活を支える「裏方ライブ」だった。
匂いと重さと焦りに追われながらも、「ありがとう」の一言がアンコールの拍手になった。
👉 今日の1枚は、ザ・バンド『Music from Big Pink』。
地味だけど心に残る、そんな労働の日々にぴったりのアルバムだ。


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