🎶介護職の仕事はきつい?実体験を“クリムゾン・キングの宮殿”に例えて語るB級ドキュメンタリー

タクシーから介護職へ ― うつ病と入院が転機に

タクシー業界で心身を壊した日々

かつて僕はタクシードライバーとして、夜の街を走り回っていた。
しかし、不規則な生活、酔っぱらい客のトラブル、深夜のゾンビのような乗客…。
気づけば心身がボロボロになり、ついにうつ病を発症した。

入院生活で出会った一冊の本

入院生活は、ただ天井を眺めるだけの長い時間だった。
「もう社会復帰なんてできないのでは?」と絶望していたある日、偶然手に取った一冊の本に書かれていた。
「介護は人に寄り添いながら、自分もまた生き直せる仕事だ」と。

介護初任者研修を受講する決意

その言葉に背中を押され、僕は介護初任者研修を受ける決意をした。
タクシーのハンドルを握っていた僕の手は、今度は利用者さんの手を支えるために使われることになった。


この記事のBGMはコチラの曲がオススメです。

高齢者デイサービスで始まった新しい仕事

大浴場・トイレ清掃という裏方の現場

僕が最初に任されたのは、大浴場やトイレの清掃と消毒。
「水回りは施設の顔」と言われるだけに責任重大だ。

配膳・おやつ準備・洗い物といった生活支援

200人分の炊飯をしていた弁当屋の経験も活きた。
配膳や洗い物は単純だけど、利用者さんの「ありがとう」の一言で疲れが吹き飛ぶ。

歩行介助・レクリエーション・送迎まで幅広い業務

歩行の付き添い、散歩、レクリエーションの補助、そして送迎。
気づけば僕は、裏方の雑用係でありながらもステージを支えるリズム隊のような存在になっていた。


認知症ケアはまるで “21st Century Schizoid Man”

認知症ケアは本当に予測不能だ。

  • 「家に帰りたい」と施設を飛び出そうとする
  • 机の上の物を突然投げ散らす
  • ご飯を食べた直後に「ご飯はまだ?」と尋ねる
  • 同じ話を延々繰り返す
  • 自分の席を忘れて迷子になる
  • ポケットに物を入れて「盗んだ」と誤解される
  • 座ったまま眠り込んで起きない

まるでKing Crimsonの名曲 “21st Century Schizoid Man” のような混沌。
現場は即興ジャムセッションであり、スタッフはその場その場で音を合わせていくしかない。


「I Talk to the Wind」のような笑顔の瞬間

混沌の中にも、美しい瞬間がある。

  • 普段は攻撃的な利用者さんが、ボランティアの歌や踊りで普段見せない無邪気な笑顔を見せる。泣けてくる瞬間だ
  • 僕の下手なウクレレで、利用者さんたちが楽しそうに大合唱してくれた
  • 初もうでやお花見など、季節のイベントで見せる笑顔
  • 戦争体験を直接語ってくれた、あの震えるような時間

これらは、まさにアルバム収録曲 「I Talk to the Wind」 のように、静かに心を癒してくれる瞬間だった。


「Epitaph」を思わせる最期の別れ

介護職において避けられないのは「別れ」だ。
ある利用者さんに「余命三ヶ月」と告げられたとき、僕はその方と手を取り合い、最後の「ありがとう」を交わした。
その瞬間の静けさと重みは、King Crimsonの 「Epitaph」 に重なる。
人生の最終楽章に立ち会うこと、それが介護職という仕事の深さだ。


スタッフ間の人間関係は宮殿の“ノイズ”

利用者さん以上に厄介なのは、スタッフ同士の人間関係だった。

  • 難しい利用者から逃げる人
  • 介護のこだわりが強く、細かく口出しする人
  • レクリエーションを丸投げする人
  • 利用者さんに嫌味を言う人
  • 大声で叱責する上司

荘厳な交響曲の中に、突然差し込む不協和音。
それもまた、この「宮殿」のリアルだった。


今日の一枚:King Crimson『In the Court of the Crimson King』

このアルバムこそ、介護の現場を象徴する一枚だ。

  • “21st Century Schizoid Man” → 認知症ケアの混沌
  • I Talk to the Wind → 一瞬の笑顔
  • Epitaph → 最期の別れ
  • Moonchild → 穏やかな午後のひととき
  • The Court of the Crimson King → 介護現場そのもの

混沌と荘厳、美しさと不協和音。
すべてを抱きしめたこのアルバムは、介護職という仕事そのものだった。


介護職を考えている人へのアドバイス
  • 腰を守れ → コルセットや補助具は必須
  • 心を守れ → 趣味や仲間と息抜きを
  • 資格で未来を広げろ → 初任者から実務者、介護福祉士へ
  • 人間関係は受け流せ → ノイズに本気で付き合わない
  • 小さな笑顔を大事に → それがアンコールの拍手になる

エンディング ― 混沌と荘厳の宮殿で今日も奏でる

タクシーから介護へ。
絶望から一歩を踏み出した僕は、気づけば「クリムゾン・キングの宮殿」と呼ぶべき現場で生きている。

介護の仕事は決して楽ではない。
でも、そこで奏でられる音楽は、人間の弱さと強さを同時に響かせてくれる。

そして今日もまた、僕はこの宮殿で新しい一曲を演奏している。


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この記事を書いた人

どうも、労働B級ドキュメンタリーを執筆中のけんしろです。

これまでのキャリア(?)はざっくり言うと、

ゴミ収集車で虫まみれ

タクシーでゾンビ客対応

炊飯場で4升炊飯器と格闘

弁当配達でひっくり返す
…などなど、転職10回以上の カオスな労働フェス を経験。

途中で「父からの搾取」「自己破産×2」「離婚×2」「うつ病で入院5回」という豪華ゲストも登場し、僕の人生は完全に B級ドキュメンタリー映画 のようでした。

でもご安心ください。すべて笑いに変えてます。
このブログでは、汗と涙とちょっとのパン屋廃棄パンで生き抜いた実録を、ロックアルバムとともに語ります。

ゴミ収集車はセックス・ピストルズ。
タクシードライバーはトム・ウェイツ。
そして炊飯はレッド・ツェッペリンII。

「働くって、しんどいけど笑える」――そんなB級感を楽しんでいただけたら嬉しいです!

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